引っ越し手続き、ちょっとめんどくさいですよね。 そう思っているのはあなただけではありません。 日通が実施したアンケート調査でも、70%以上もの人が「引っ越して続きは面倒だ」と回答しております。
どうしてそれだけの人が面倒に感じているのでしょうか? その大きな理由は、実は「何すればいいのかよくわからないから」ってことなんです!
人間はどうしてもわからないことをやるのは億劫に感じるものなんですよね。 でも逆に言ってしまえば「やることさえ分かってさえしまえば何てことない」ってことでもあるんです!
ということで今回は、引っ越し時の「役所手続き」について解説してみましょう! 自分の場合はどの手続きが必要なのか、ってことに注目して読んでみてください!
目次
1. 引っ越し時の役所手続きのポイント
引っ越しの役所手続きでまず知っておきたいポイントがつあります。
- 「同じ市区町村内での引っ越し」と「異なる市区町村への引っ越し」ではするべき手続きの数が違う
- 「同じ市区町村内での引っ越し」なら役所手続きは引っ越し後だけでよい
- 「異なる市区町村への引っ越し」なら引っ越しの前後で役所に行く必要がある
- 「住民票の移動」と「マイナンバーの住所変更」の手続きは全員共通で、必ずやる必要がある
- 期限が設けられている役所手続きの場合、期限はすべて引っ越し後14日以内
- 手続きに行く際は「印鑑」と「身元を確認できるもの (免許証など)」をとりあえず持っていくこと
さて、ポイントを抑えたところで、引っ越し時に必要な役所手続きについてみていきましょう。
2. 引っ越し時の役所手続きリスト
さて、それではまずは、どんな役所手続きがあるのか、一覧にして確認してみましょう。なお、赤字にした①と②は全員共通で必ず行う項目、オレンジにした③は単身者だとしても該当することが多い項目です。 黒字のままの⑦以降はほぼファミリー限定です。
- 住民票の移動手続き
- マイナンバーの住所変更
- 印鑑証明の廃止・登録手続き (※実印登録している方)
- 原付の廃車・登録手続き (※ 原付に乗っている方)
- 国民健康保険の住所変更 (※加入者)
- 国民年金の手続き (※加入者)
- 介護保険の手続き (※65歳以上の方で要支援・要介護認定を受けている方)
- 検診補助券の交換手続き (※妊婦さん)
- 児童手当の住所変更手続き (※中学校卒業前の子供がいる方)
- 保育園の転園手続き (※該当者)
- 小中高校生の転校手続き (※該当者)
- ペットの登録 (※犬などを飼っている方)
これらの項目のうち、自分に該当するものはいくつあったでしょうか? まずはそれを書き出すなどしてまとめておきましょう!
やることがわかったら、今度は詳細情報をみていきます。 手続きの際に必要な準備物などを確認しておきましょう。
3. 手続きの詳細情報
つづいて手続きの期限や持ち物などについてみていきます。
(1) 住民票の移動
住民票を新住所に移動します。 全員該当する手続きです。 手続き期間が引っ越し前後14日以内と定められていて、やらないと罰金もありますので注意しましょう!
また、この手続きは「同じ市区町村内の引っ越し」と「異なる市区町村への引っ越し」で必要な手順が違います。まずは同じ市区町村内の場合をまとめます。
- やるべきこと : 引っ越し後に役所で「転居届」を記入し提出する
- 必要な持ち物 : 印鑑、本人確認書類
- 期限 : 引っ越し後14日以内
続いて異なる市区町村へ引っ越す場合です。
- 引っ越し前にやること
- やるべきこと : 旧住所の役所に「転出届」を出して「転出証明書」をもらう
- 必要な持ち物 : 印鑑、本人確認書類
- 期限 : 引っ越し前後14日以内
- 引っ越し後にやること
- やるべきこと : 新住所の役所に「転入届」と「転出証明書」を提出する
- 必要な持ち物 : 印鑑、本人確認書類、転出証明書
- 期限 : 引っ越し前後14日以内
なお、「そもそも住民票って必ず移さないとダメなの?」などなどもっと詳しく知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください!
また、転出届については役所にいくのが面倒なら郵送手続きも可能です。 気になる方はこちらの記事をご覧ください。
(2) マイナンバーの住所変更
こちらも全員該当する手続きです。 マイナンバーカードやマイナンバー通知カードの住所を書き換えます。 住民票の手続きと同様、引っ越し後14日以内の手続きが必要です。これも罰金が定められています。
- やるべきこと : 引っ越し後、新住所の役所に「マイナンバーカード」または「マイナンバー通知カード」を提出し、必要書類に記入する
- 必要な持ち物 : マイナンバーカード または マイナンバー通知カード
- 期限 : 引っ越し後14日以内
(3) 印鑑証明の廃止と登録
違う市区町村への引っ越しの場合、実印の印鑑登録をしている方は登録をし直す必要があります。 引っ越し前後両方で手続きする必要があります。
- 引っ越し前
- やるべきこと : 旧住所の役所で「印鑑登録廃止書」を記入し提出する
- 必要な持ち物 : 本人確認書類、印鑑登録証
- 期限 : なし
- 引っ越し後
- やるべきこと : 新住所の役所で印鑑登録の申請をして「印鑑登録証」をもらう
- 必要な持ち物 : 本人確認書類、登録したい実印
- 期限 : なし
なお、同じ市区町村内での引っ越しならば手続きは不要です。 「転居届」さえ出しておけば自動的に手続きされます
(4) 原付の廃車登録
排気量125cc以下の原動機付き自転車、つまり原付に乗っている方で、「異なる市区町村への引っ越し」の場合は手続きが必要です。
なお、「同じ市区町村内の引っ越し」なら特に手続き不要です。
- 引っ越し前(※)
- やるべきこと : 旧住所の役所にて原付の廃車手続きを行い、「廃車申告受付書 (廃車証明書)」をもらう
- 必要な持ち物 : 標識交付証明書、ナンバープレート、印鑑
- 期限 : なし
- 引っ越し後
- やるべきこと : 引っ越し後、新住所の役所で原付の登録手続きをして、新しいナンバープレートをもらう
- 必要な持ち物 : 印鑑、本人確認書類、廃車申告受付書 (廃車証明書)
- 期限 : なし
※注 : 実は、引っ越し前の手続きをやらなくても、引っ越し後新住所の役所で「廃車手続き」と「登録手続き」両方することもできる
最後の ※注 にある通り、実は引っ越し前の手続きはやらなくても問題ありません! それどころか、引っ越し前の手続きをしてしまうと引っ越しして再登録するまではナンバープレートがない状態になってしまい原付に乗れなくなってしまうため、むしろ引っ越し後にまとめてやった方がお得です。
(5) 国民健康保険の手続き
続いては国保加入者が該当の手続きです。 「異なる市区町村への引っ越し」の場合は引っ越し前後両方で手続きが必要です。
まずは「同じ市区町村内の引っ越し」の場合です
- やるべきこと : 役所にて住所変更の申し出をする
- 必要な持ち物 : 印鑑、保険証
- 期限 : 引っ越し後14日以内
続いては「異なる市区町村への引っ越し」の場合です。
- 引っ越し前
- やるべきこと : 旧住所の役所で資格喪失手続きをして、保険証を返納する
- 必要な持ち物 : 印鑑、保険証
- 期限 : なし
- 引っ越し後
- やるべきこと : 新住所の役所で国保の加入手続きをする
- 必要な持ち物 : 印鑑、本人確認書類、保険証
- 期限 : 転出後14日以内
(6) 国民年金の手続き
国民年金の住所変更手続きです。 国民年金に加入している方全員が対象で、市区町村が変わる変わらないにかかわらず、引っ越し後に住所変更の手続きが必要です。
- やるべきこと : 引っ越し後、役所にて「被保険者住所届」を記入し提出する
- 必要な持ち物 : 印鑑、国民年金手直
- 期限 : 転出後14日以内
(7) 介護保険の手続き
65歳以上の方で要支援・要介護認定を受けている方が対象です。 「同じ市区町村内の引っ越し」なら引っ越し後だけの手続きでOKですが、「異なる市区町村への引越し」の場合は両方での手続きが必要です。
- やるべきこと : 引っ越し後、役所にて住所変更の申し出をする
- 必要な持ち物 : 印鑑、介護保険被保険者証
- 期限 : 引っ越し後14日以内
続いては「異なる市区町村への引っ越し」の場合です。
- 引っ越し前
- やるべきこと : 旧住所の役所で「介護保険被保険証」を返納して「介護保険受給資格証」をもらう
- 必要な持ち物 : 印鑑、介護保険被保険者証
- 期限 :なし
- 引っ越し後
- やるべきこと : 新住所の役所で要支援・要介護認定の申請をして、「介護保険被保険証」をもらう
- 必要な持ち物 : 印鑑、介護保険受給資格証
- 期限 : 引っ越し後14日以内
(8) 検診補助券の交換
妊婦検診費用の補助として検診補助券をもらっている方で、違う市区町村への引っ越す場合が対象です。 同じ市区町村内での引っ越しなら手続き不要です。
- やるべきこと : 引っ越し後、新住所の役所にて「検診補助券」を交換してもらう
- 必要な持ち物 : 印鑑、母子手帳、検診補助券
- 期限 : なし
(9) 児童手当の住所変更
中学校卒業前の子供がいる方で、異なる市区町村への引っ越しならば対象です。 同じ市区町村内の引っ越しなら手続きは必要ありません。
- 引っ越し前
- やるべきこと : 旧住所の役所で「児童手当受給事由消滅届」を提出する
- 必要な持ち物 : 印鑑
- 期限 :なし
- 引っ越し後
- やるべきこと : 新住所の役所で「児童手当認定請求書」を記入して提出する
- 必要な持ち物 : 印鑑、普通預金通帳、保険証のコピー、所得課税証明書、その他、該当する場合は別居監護申立書、別居児童の住民票、生計監護維持申立書
- 期限 : なし
なお、児童手当は申請月の翌月分からが支給対象です。ですが月末に引っ越して申請が月をまたいでしまった場合は「15日特例」と言って15日以内の申請であれば申請月分から支給対象となる制度があります。出来るだけ早く申請するようにしましょう!
(10) 保育園の転園
引っ越しにともなって保育園の転園をする必要がある場合、やることが多いので注意が必要です。また、最近では首都圏を中心に保育園の定員オーバー、いわゆる待機児童が問題となっていて、保育園に空きがあるとは限らないのが現状です。 そのため、こちらについては他の手続きと違ってかなり早めに動き出して状況把握と対応策を考えておいたほうが良いでしょう。
それを踏まえて、保育園の転園を希望する場合の流れを確認してみます。
- 現在通っている保育園の退園手続きをする
- 認可保育園の場合、退園する翌月1日までに「退園届」を提出する
- 引っ越し先の役所にて保育園の空きや、住民票を移す前の申込は可能かどうか、申込時の必要書類などを確認する
- まずは新住所の役場に電話して引っ越しに伴い保育園を転園したい旨を伝え、空き状況や必要な手続き等を確認する
- 自治体によって住民票の移行前でも申し込み可能かどうかも異なるので要確認
- 認可保育園に空きがない場合、認可外保育園の利用者補助などがないかも検討する
- 必要書類を揃えておき、引っ越し前か引っ越し後すぐに新住所の役所にて申し込みする
兎にも角にも、早めの対応が重要になります。 保育園の利用をしたいときは少しでも早めに動き出すようにしましょう。
(11) 小中高校生の転校手続き
小中高校生の子供がいて転校が必要な場合に該当します。 転校手続きは役所内に設置されている教育委員会が手続きの窓口になります。 こちらも保育園の転園ほどではないとは言え、それなりに早めに動き出しておくべき項目です。
義務教育である小中学校とそうでない高校とでは事情や手続きの流れなども変わってきます。また、引越し先が同じ市区町村内かどうかでも準備すべき書類等に違いが出てきますので、整理して確認していきましょう。
まずは「同じ市区町村内の引っ越し」の場合の小中学生の転校手続きをみていきます。
- 現在在学している学校に転校の旨を伝えて「在学証明書」と「教科書給与証明書」を発行してもらう
- 役所に「転居届」を提出する際に「入学通知書」を発行してもらって転校先の指定を受ける
- 「在学証明書」「教科書給与証明書」「入学通知書」を転校先の学校へ提出する
続いて「異なる市区町村への引っ越し」の場合の小中学生の転校手続きをみていきます。
- 現在在学している学校に転校の旨を伝えて「在学証明書」と「教科書給与証明書」を発行してもらう
- 「住民票の移動」手続き(この章の(1)の手続き)を完了させて「住民票の写し」を発行する
- 新住所の教育委員会に「住民票の写し」を提出して「入学通知書」を発行してもらい、転校先の指定を受ける
- 「在学証明書」「教科書給与証明書」「入学通知書」を転校先の学校へ提出する
どちらの場合でも在学中の学校に「在学証明書」「教科書給付証明書」をつくってもらう必要があるので、引越し・転校が決まったら早めに学校へ連絡するようにしておきましょう。
続いて、高校の場合です。 高校の場合は小中学校と違って自分で通う高校を選ぶことができます。 ただし、希望の学校に入れるかどうかは「その学校の欠員の有無」と「編入試験の合否」で決まります。
しかしながら正直なところ、人気のある高校はそもそも入学時の段階で多くの受験生が受験しており、その中で不合格者も出している訳ですので、欠員があることはほとんどありません。 そのため学力の高い学校・人気のある学校に転校できることは滅多になく、受け入れてもらえる学校の中から選ぶしかなくない場合が多いです。 それも踏まえて公立高校の転校をするべきかよく検討をしましょう。
高校の転校をする場合、以下のような流れになります。
- 在学中の学校に転校の旨を伝え、「在籍証明書」「成績(単位修得)証明書」「在籍校校長の転学照会書」を発行してもらう
- 新住所の教育委員会か転入を希望する学校に転校可能かどうか電話等で問い合わせる。多くの場合なkなか受け入れてもらえないので、受け入れてもらえる学校を探す
- 受け入れ可能な学校が見つかれば、編入試験を受験する
- 合格後、必要書類を準備して転校手続きをする
(12) ペットの登録
犬を飼っている方が対象の手続きです。 犬は国の指定動物に指定されていますので、飼い主は狂犬病予防法などの法令に基づいて住所の登録をすることが義務付けられています。
- やるべきこと : 引っ越し後、役所または保健所で「登録事項変更届」を記入・提出する
- 必要な持ち物 : 印鑑、旧住所での鑑札、狂犬病予防注射済票
- 期限 : 引っ越し後すみやかに (30日以内)
なお、鑑札や狂犬病予防注射済票をなくしてしまっている際は、引っ越し前に役所か保健所で再発行してもらっておきましょう。
さて、以上が引っ越しにともなってする必要がある役所手続きです。
3. その他の行政手続きについて
ところで、役所手続きだけだと免許証の手続きや車関係の手続きが終わっていません。 特に、免許証は本人確認書類として便利ですので、早めに手続きして正しい住所に変えておかないと何かと不便です。 早めに手続きしてしまいたいところです。
免許証の手続きは警察署、車やバイク関連の手続きは陸運支局で行います。 以下の記事を参考に手続きを行っておきましょう。
なお、免許証の住所変更手続きをする際に「住民票の写し」があると便利ですので、「住民票の移動」手続きをしたときに一部写しを発行しておきましょう。
4. まとめ
引っ越し時の行政手続きについてはこれで以上です。 今回のポイントをまとめておきましょう!
- 行政手続きでまずいちばんに大切なのは「自分はどの手続きをする必要があるのか・いつやればいいのか」を把握しておくこと
- 「同じ市区町村内での引っ越し」と「異なる市区町村への引っ越し」ではするべき手続きの数が違う
- 「同じ市区町村内での引っ越し」なら役所手続きは引っ越し後だけでよい
- 「異なる市区町村への引っ越し」なら引っ越しの前後で役所に行く必要がある
- 「住民票の移動」と「マイナンバーの住所変更」の手続きは全員共通で、必ずやる必要がある
- 期限が設けられている役所手続きの場合、期限はたいて引っ越し後14日以内
- 手続きに行く際は「印鑑」と「身元を確認できるもの (免許証など)」をとりあえず持っていくこと
以上のポイントを理解しておき、スムーズに手続きを終わらせてしまいましょう!!
今回はこれにて以上です。 あなたの引っ越しがスムーズに段取り良く、そしてお得に終わることを願っております!!
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「引っ越し」はライフスタイルの変化のときです。
どこへ行き、どこで時間を過ごすのか?
誰と過ごす時間が増え、家にいる時間をどう過ごすのか?
環境とともに、自然とライフスタイルが変わります。
そんな人生の中で大きな意味を持つ「引っ越し」というイベント。
少しでも「良い引っ越しだった」と思えるようにしたいものですよね。
でも、引っ越しは思っているより大変です。
新居選び、退去手続き、役所やライフラインの手続き、荷造り、引っ越し業者選び・・・
やることはたくさんあります。また、費用面も安くありません。
その中でも引っ越し費用はただ高いだけでなく、「相場がわかりにくい」ため注意が必要です。
時には相場が分かりにくいのをいいことに、適正料金よりも高い見積り金額を提示する業者もいます。
こちらが無知でいると「業者の言い値」でいいようにやられてしまうのです。
しかし、引っ越し費用は簡単な方法で大幅に安くすることができます。
「あること」をするかしないかで費用が半額になることもあるのです。
そこでまずは、そんな引っ越し費用や業者選びのことに詳しくなりましょう。
これから引っ越しをするあなたへ、まず読んで欲しいことをまとめましたので、まずはここからお読みいただけたらと思います。
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