「単身パック」などのを除いた一般的な引っ越しには、「チャーター便」と「混載便」の2種類があるのをご存知ですか?
「チャーター便」とはその名から分かる通り、一台のトラックを貸し切って行う引っ越しの仕方のことです。 近距離〜中距離引っ越しはほとんどがこの方法で行われますので、大抵の方がイメージしている引っ越しはチャーター便による引っ越しです。
「混載便」とは、一台のトラックの中に何人かのお客さんの荷物を一緒に入れて運ぶタイプの引っ越しのことを言います。 主に長距離引っ越しで使われ、費用が高い長距離引っ越しを少しでも安くする方法として使われています。 業者によっては「乗合便」などと呼ばれることもあるのですが、その呼ばれ方からも分かる通り何人分かの荷物が乗り合いして運賃を割り勘しているようなイメージですね!!
今回は「チャーター便」の方に焦点を当て、チャーター便のメリットやデメリットなどをみていきたいと思います! また、チャーター便の基本的な意味は上で説明した通りなのですが、たまにちょっと違う意味で使われていることもあるようです。 そんなケースも含め、「チャーター便」への理解を深めていきたいと思います!!
なお、もう一方の混載便についてはこちらの記事で解説しておりますので、気になる方は合わせて読んでいただけたらと思います!
目次
1. 「チャーター便」理解のポイント
それではまずはじめに「チャーター便」とは果たしてどんな引っ越しなのか、ポイントを整理してまとめておきましょう!
- トラックを貸し切って行う引っ越しのことで、近距離〜中距離の引っ越しはほとんどコレ
- わざわざ「チャーター便」という言葉を使うのはたいてい次の2パターンのどちらか
- 長距離引っ越しにおいて「混載便」との対比として使うのが一般的
- 業者によっては「トラックとドライバーだけをチャーターする格安プラン」という意味で使う場合がある
- 長距離引っ越しでチャーター便を使うと基本的に料金は高くなる
- そのかわりスピーディーで安全性の高い長距離引っ越しができる
- 「トラックとドライバーだけをチャーターするプラン」という意味でのチャーター便の場合、料金は安いが運転以外の作業はすべて自分たちで行う
これでだいたいの理解できましたかね? より詳しく説明していきましょう!
2. チャーター便とは?
最初に説明した通り、「チャーター便」という言葉の意味は一台のトラックを貸し切って行う引っ越しの仕方ということです。
ただ、実際に「チャーター便」という言葉が使われるケースは次のどちらかです。
- 長距離引っ越しにおいて「混載便」と区別して使われる
- トラック1台とドライバー1人だけをチャーターする格安引っ越しプラン
① 遠距離引っ越しでの「チャーター便」
先ほど説明した通り、近距離〜中距離の引っ越しのほとんどがチャーター便で行われています。 そのため、わざわざ近距離〜中距離引っ越しにおいてはチャーター便という言葉は使われません。
あえて「チャーター便」というワードが出てくるのは大抵が長距離引っ越しの話をしている場合で、 この場合、対となる「混載便」に対して区別するために「チャーター便」というワードが使われるのです。
長距離引っ越しにおいてはどちらかと言えば「混載便」の方が一般的です。 理由は単純で、こちらの方が全然安いからですね! 長距離引っ越しはどうしても運賃が高くなってしまいますが、混載便にすることで運賃を抑えることができるのです!!
↑ 「ムービングエス」HPより。混載便のイメージ (ムービングエスさんでは「割り勘便」と呼んでいるそうです!)
そんな混載便に対して、通常の近距離引っ越しなどと同じように自分の荷物だけでトラックを貸し切って長距離引っ越しを行いたい方へのプランとして「チャーター便」という名前が使われるのです。
② 作業は自分で行う格安プランとしての「チャーター便」
業者によってはちょっと違った意味合いで「チャーター便」という言葉を使っている場合があります。 それは、「トラックとドライバーだけをチャーターする格安プラン」という意味です!!
この場合の「チャーター便」は「作業は自分たちで全部やるから、トラックの手配と運転だけお願いしたい」という要望に応えた格安プランになっています。 こちらの意味の場合は近距離引っ越しでも使われる場合があります。
「チャーター便」という言葉は次の2つのどちらかの意味で使われている。
- 長距離引っ越しで「混載便」に対して使われ、自分の荷物だけでトラック1台を貸し切って運ぶ引っ越しプランのこと (※基本はこっち)
- トラック1台とドライバー1人だけをチャーターして自分で作業する格安プランのこと (この場合は近距離・中距離引っ越しでも使われる)
3. 長距離引っ越しにおいてチャーター便を選ぶメリットとデメリット
さて、まずはメインとなる長距離引っ越しにおけるチャーター便について詳しく見ていきましょう!
長距離引っ越しでは、より安く引っ越せる「混載便」が多く使われているという話をしましたね! それでは、高くなってしまってもチャーター便を選ぶメリットは何なのでしょうか?
チャーター便には混載便と比較して2つのメリットがあります。
- 混載便よりもスピーディーに引っ越しを終わらせることができる
- 混載便よりも安全性が高く、荷物の紛失・破損のおそれが小さい
① 長距離引っ越しでチャーター便を選ぶメリット
これは、混載便のデメリットを考えてみるとすぐ分かります。 混載便は高くついてしまう長距離引っ越しの運賃を抑えるために、数人分の荷物を1台のトラックにまとめて積み込みます。 そのため、混載便による長距離引っ越しは一般的に次のような流れになります。
- 旧居での積み込みを終える
- 一度最寄りの配送センターか近くのターミナルへ運んで荷物を降ろす
- 一緒に運ぶ他の荷物を待ち、全て揃ったら大型トラックに積み込まれる
- 新居付近の配送センターやターミナルに到着する
- 荷物量にあったトラックに積み替えて新居へ運び、搬入する
それに対してチャーター便だとこのような流れになります。
- 旧居で積み込みを終える
- すぐに新居へと出発する
- 新居で降ろす
このように、作業がだいぶ簡易化できますね! 混載便は安くなる反面、他の荷物がすべて揃うまで待つ必要があるため、旧居で積み込んでから新居に運ばれるまでに数日を要するのが一般的です。 それに対してチャーター便ではすぐに出発できますので、比べると非常にスピーディーな引っ越しが可能です。 たいていの場合、チャーター便なら遠方だとしても積み込んだ次の日には配送することが可能です。 これがチャーター便を選ぶ一番のメリットでしょう。
また、もう一つのメリットは荷物の破損・紛失の心配がすくないことです。 先程の流れを見比べてみるとわかりますが、混載便では荷物の積み下ろしが多くなります。 そのように積み下ろし作業が増えればその分だけ荷物が破損したり、紛失したりするリスクは増してしまいます。
また、混載便の場合一台のトラックに他の人の荷物も積み込みますので、時には荷物が他の人の荷物に入り込んでしまうこともあり得ます。 一応どこの業者でもそうならないように荷物のリストをつくったり、お客さんごとにトラック内で仕切ったり対策はするのですが、それでも紛失のリスクはチャーター便よりははるかに高いです。
↑ 「ムービングエス」HPより。 このようにトラック内で仕切りを作って荷物が混ざらないように対策している
自分が引っ越し業者で働いていたときはあまりなかったように思いますが、『Yahoo!知恵袋』でもこのようなコメントがありました。
元引越業です。
混載便は荷物の紛失のクレームは多いですよ。
ー『Yahoo!知恵袋』内でのBSさんの回答より
より安全に運びたい方はチャーター便の利用を検討するとよいでしょう。
- 長距離引っ越しでもスピーディーに引っ越しができて、当日中または翌日中には引っ越しが完了する
- 混載便よりも荷物の紛失・破損のリスクがかなり小さい
② 長距離引っ越しでチャーター便を選んだ場合のデメリット
では逆に、チャーター便のデメリットはなんでしょうか? これはもう簡単で、費用がかなり違うことです。実際の例を見てみましょう!
- 混載便の場合 : ¥70,000 + 税
- チャーター便の場合 : ¥90,000 + 税
※ 『プロスタッフ』さんにて見積もり依頼。 5月後半で荷物量は普通程度の単身引っ越しで見積もり。チャーター便なら翌日配送、混載便の場合は1週間枠での指定でその中での配送とのこと
これは私自身が過去に実際に見積もりしてもらった際の概算見積もりの結果です。 税込みで考えると¥22,000も差が出るという結果ですね。 荷物量が多い家族の引っ越しとかですとさらに差は大きくなりますから、結構な差が出ることが分かるかと思います。
③ 長距離引っ越しでチャーター便はどんな場合にオススメ?
以上を踏まえると、長距離引っ越しでチャーター便の利用がオススメなのは以下のような場合ですね!
- 引っ越し費用が高くなったとしてもスピーディーに引っ越しを終えたい方
- 引っ越し費用が高くなったとしても、大切な荷物をより安全な方法で運びたい方
4. トラック1台をチャーターするだけの格安プランとしての「チャーター便」
続いては「トラック1台をチャーターするだけの格安プラン」としてのチャーター便について解説します!
こちらの意味で使われるチャーター便は「作業を全部自分たちでやる」ことを前提に、格安な料金でチャーター便のメリットが受けられるというプランです。 長距離でも使えますし、近距離引っ越しを格安で行うために使うこともできます。 その代わり一般的な引っ越しで使われる家屋の養生資材なども用意されない場合が多いので注意が必要です。
また、このようなプランの場合は引っ越しに不慣れな自分たちで荷物を運ぶことになり、しかもプロのような道具もありませんので、家屋や家具の破損リスクがかなり高くなることを覚えておきましょう。
このようなチャーター便を利用できることで一番有名なのは、格安な単身引っ越しで人気の「赤帽」ですね!! 赤帽はまさにこの意味での「チャーター便」にあたるサービス内容です。 しかも、赤帽さんの場合はドライバーさんもしっかり作業してくれて、むしろこっちが手伝うような場合が多いですね!
赤帽以外だと、引っ越し業者ならたとえば佐川急便グループの『Sgムービング』などがこのようなプランを用意しています。
というか、このようなプランの場合はもはや引越し業者に頼む必要もないので、個人でトラックのチャーターを依頼できる運送業者ならどこでもOKです。たとえばこちらの「運び方.com」というサイトなどで探してみるとよいでしょう!
ちなみにですが、「作業を全部自分たちでやる」プランと言いましたが、たいていの場合なんだかんだでドライバーさんはそこそこ手伝ってくれる方が多いです。 それを期待してはいけませんが、そういう親切なドライバーさんにあたったときはご祝儀や差し入れを用意してあげましょう!!
4章の内容をまとめておきます。
- トラック荷台での積み込みと運転以外の作業を基本的に全て自分たちでやる必要がある
- 家屋の養生などもしてもらえないので注意
- このようなプランで代表的なのは「赤帽」。佐川急便 (Sgムービング) も引っ越しプランの一つとして用意している
5. まとめ
以上、チャーター便について解説致しました。記事の内容をまとめておきましょう!
- 「チャーター便」とは、トラックを貸し切って行う引っ越しのことで、近距離〜中距離の引っ越しはほとんどコレ
- わざわざ「チャーター便」という言葉を使うのはたいてい次の2パターンのどちらか
- 長距離引っ越しにおいて「混載便」との対比として使う (一般的な使われ方)
- 業者によっては「トラックとドライバーだけをチャーターする格安プラン」という意味で使う場合がある
- 長距離引っ越しでチャーター便を使うと基本的に料金は高くなる
- そのかわりスピーディーで安全性の高い長距離引っ越しができる
- 「トラックとドライバーだけをチャーターするプラン」という意味でのチャーター便の場合、料金は安いが荷台での積み込みと運転以外の作業はすべて自分たちで行うので作業がかなりハードになるし、家屋や家具の破損リスクも大きくなる
これにて以上です! もしまだ業者選び・プラン選びの途中でしたら、以下の記事も参考になると思います。 ぜひ合わせて呼んでいただき、少しでもお力になれたら幸いです。
【あわせて読みたい】より良い引っ越しをするために…

「引っ越し」はライフスタイルの変化のときです。
どこへ行き、どこで時間を過ごすのか?
誰と過ごす時間が増え、家にいる時間をどう過ごすのか?
環境とともに、自然とライフスタイルが変わります。
そんな人生の中で大きな意味を持つ「引っ越し」というイベント。
少しでも「良い引っ越しだった」と思えるようにしたいものですよね。
でも、引っ越しは思っているより大変です。
新居選び、退去手続き、役所やライフラインの手続き、荷造り、引っ越し業者選び・・・
やることはたくさんあります。また、費用面も安くありません。
その中でも引っ越し費用はただ高いだけでなく、「相場がわかりにくい」ため注意が必要です。
時には相場が分かりにくいのをいいことに、適正料金よりも高い見積り金額を提示する業者もいます。
こちらが無知でいると「業者の言い値」でいいようにやられてしまうのです。
しかし、引っ越し費用は簡単な方法で大幅に安くすることができます。
「あること」をするかしないかで費用が半額になることもあるのです。
そこでまずは、そんな引っ越し費用や業者選びのことに詳しくなりましょう。
これから引っ越しをするあなたへ、まず読んで欲しいことをまとめましたので、まずはここからお読みいただけたらと思います。
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