たとえばマンションを購入したり、賃貸物件の契約をすると、不動産会社から引っ越し業者の紹介を受けることがあります。「紹介割引で20%引きになりますよ!」とか、なかなか良さそうな話がもらえることがあるんです!
あるいは、利用しているクレジットカードに特定の引っ越し業者で使える「優待割引特典」がついていることもありますね!
これらのような割引サービスは果たしてどのくらいお得なのでしょうか?
今回は引っ越し料金の割引サービスについて解説致します!
目次
1. 「定価」が存在しない引っ越しにおいて割引サービスは無意味!!王道なやり方で値下げを狙いましょう
見出しでネタバレしちゃってますね笑
見出しにある通り、引っ越しには「定価」が実質存在しないため、どんな割引サービスも実際のところあってないようなものなのです!! なんか騙されたようでひどい話ですよね… でも実は、もっとひどい話これらの割引サービスを適用すると、しない場合よりも高くなってしまうことすらあるのです!!
詳しく説明する前に、今回のポイントをまとめておきましょう。
- 引っ越しには定価が実質存在しないので「紹介割」や「優待割引」などに意味はない
- それどころか中間マージン分が上乗せされてかえって高くなってしまうことすらある
- 割引サービスではなく、王道に相見積もりを取って値引き交渉するのが引っ越し費用を抑える唯一の方法
- 相見積もりをするなら一括見積もりサイトを利用すると便利
では、詳しい内容を見ていきましょう!!
2. 引っ越し費用には「定価」が実質存在しない
なぜ割引サービスに意味がないのか理解するために、まずはじめに引っ越し料金について少し詳しくなっておきましょう。 いちばんのポイントは、上でも書いた通り引っ越しは基本的に「定価」というものが実質存在しないということです。
“実質”と書いたのにも理由がありまして、本当を言えば一応定価は存在します。国土交通省に認可を受けている引っ越し業者なら必ず、「運送請負価格」というものを国土交通省に提出していますので、それを使って算出した料金が「定価」となります。
ただ「運送請負価格」には問題がありまして、すべての項目が上限と下限の幅を持って設定されているのです。 そして、上限の金額を使って計算した料金を「定価」としているため、定価だとかなり高額な料金になってしまうのです!
ただ、このような仕組み自体はある程度仕方ない面もあります。 引っ越しはシーズンや荷物量、移動する距離、立地条件などさまざまな条件を考慮して価格を決める必要がありますので、単純にいくらと価格を決めておくことはできません。 そのため届出も上限と下限を定めておくことまでしかできないのです。
そうは言っても、そんな高額な定価をそのままお客さんに提示するわけにもいきませんよね。 そんなことしたら、お客さんは当然別の業者に流れてしまいます!!
そのため、引っ越し料金は定価から値下げをして決めるのが当たり前なのです!! つまり、そもそも値下げしてから提示するのを大前提に「定価」は定められているというワケです。 これじゃあ定価はあるけどないのと一緒ですね。
こういう理由があるので最初に「定価は実質存在していない」と言ったワケです。
では、この章の結論をまとめておきましょう。
3. そもそも定価がないんだから割引なんてあってないようなもの
さて、前の章で引っ越し料金には定価が実質存在しないということがよく分かりましたね!! また、前章の内容からもう一つ大事なことがわかります。 それは、引っ越し料金は最大で「運送請負価格」で定めている下限まで値引きすることができるということです!!
そうは言いましても引っ越しは条件次第で色々と変わってきますので、一概に下限まで下げられる訳ではありません。 それでも少なくとも言えることは、定価から値下げする余裕はもともと十分に設けられているということです!!
そして、前章で言った通り、そもそも定価は値下げすること前提で定められているのでしたね。 このことを踏まえた上で不動産の「紹介割引」やクレジットカードの「優待割引」について見てみましょう。
これらの利用条件などを見ると、必ず書かれていることがあります。 それは「見積もり前の申し出が必要です。見積もり完了後の申し出は対応しかねますのでご注意ください」という一文や、あるいは「“基本料金”から○○%OFF!」という書き方です!!
それはつまり何が言いたいのかといいますと、結局のところこれらの割引サービスはもともと値下げする予定だった部分で適用されるということです!!
そのため割引サービスなんてあってないようなものなのですね。 そりゃあ定価がない訳ですから、なんとでも言えるということです。 つまり、割引サービスは業者にとってただの”客寄せのリップサービス”に過ぎないということです。 ちょっとひどい話ですが、これが業界における普通なのです。。。
4. それどころかむしろ高くなる場合すらある
前章の話でも十分に騙しているようなひどい話なのですが、もっと悪質な場合すらあります。 実を言うと「紹介割引」などの割引サービスを使うことで、本来払うべきだった価格よりも高くなってしまう場合すらあるのです!!
なぜそんなことが起きてしまうのかと言いますと、このような紹介サービスの裏では、紹介した不動産業者やクレジットカード会社への「中間マージン」が発生しているからです!
「中間マージン」とはつまり紹介手数料のようなものです。 簡単に言ってしまえば「お客さんこっちに流してくれてありがとう! これ手数料ね!」という風にお金が引っ越し業者から紹介元へと流れているということです。
これだけなら別に構いやしないのですが、問題なのはそこで支払った中間マージン分が見積もり金額に上乗せされてしまうことがあるということです!!
たとえばですが、しっかりと値下げ交渉して引っ越し業者側としては下げられる限界まで値引きできたとしましょう。 こういう場合を考えると、もし割引サービスを使っていた場合は中間マージンがあるだけ業者は出費が増えていますので、そのぶんだけ値下げできる幅が小さくなるのです!
そのため、このように割引サービスを使った方が高くなるということが起こりうるのです。
- 紹介割引や優待割引を利用すると、引っ越し業者から紹介元への中間マージンが発生している
- 割引サービスを利用すると、安くなるどころか場合によっては発生した中間マージンの分だけ見積もり金額が高くなってしまうことすらある
5. 本当に安くするための方法は?
以上の説明で分かった通り、紹介割引や優待割引といった割引サービスでは引っ越し費用は安くなりません。 では、一体どうすれば料金を安くしてもらうことができるのでしょうか?
それは非常にシンプルで王道な方法です。 引っ越し費用を抑えるのに必要なことはたった2つだけです。
「より安い業者を探す」ことと「うまく値下げ交渉をする」ということだけです!
そのために有効なのが「相見積もり」を取ることです。 「相見積もり」とは複数の業者に見積もりしてもらって比較することを言います。 相見積もりをすると安くできるのには以下のような理由があります。
- 相見積もりをすることで、業者の営業担当に「価格競争」の意識が生まれて値引きしてくれやすくなる
- 複数の業者の意見を聞くことで今回の引っ越しの条件や相場がだんだん掴めてくるので、値引き交渉を有利に進めやすくなる
- 他の業者の見積もり金額を使って「これよりも安くなりませんか?」と値段交渉することができる
このように、相見積もりをすることでこちらも値段交渉がしやすくなる上に業者側も「他社に勝てるだけの値引きしてうちで決めてもらおう」と考えますので結果としてどれか1社にただ見積もりを依頼するよりも安くなるのです!!
◎ 相見積もりには「一括見積もりサイト」の利用がオススメ
そんな相見積もりですが、デメリットは手間がかかることです。 複数の業者の営業と電話をして見積もりしてもらって、ってだけでも面倒ですが、実際やることはそれだけではありません。 まずはそもそも今回の現住所から新住所への引っ越しに対応できる業者を探すことから始めなければなりません。
大手はまだしも地域密着の中小企業なんかはなかなか探しにくいですし、あまり家から遠い業者を選んでも結局見積もりが高くなってしまいあまり意味がありません。 そのようなことを考慮しながら相見積もりする業者を探すのは意外と面倒です。
さらには同じような受け答えを3度も4度もするのだって面倒ですね。
そこで便利なのが『引越し侍』や『LIFULL引越し』などの「一括見積もりサイト」を利用することです!! 「一括見積もりサイト」とは、ホームページの入力フォームに引っ越し前後の住所や家族の人数、運びたい荷物の目安などを入力するだけで、提携された数多くの引っ越し業者の中から条件にあった複数の業者に一斉に見積もりをかけてくれるサービスのことです。 フォームへ入力した情報は各社に届けられますので、住所などの基本的な情報をそれぞれの業者にいちいち説明する手間も省けます。
しかも利用は無料で、それどころか特典がもらえたりキャッシュバックが受けられることすらあります。 一括見積もりサイトを利用して最安値を探すには、以下のような手順を踏んでいくのがオススメです。
- 一括見積もりサイトのフォーム入力を済ませる
- かかってくる電話に順番に出て、電話見積もりをしてもらうか訪問見積もりの日時を予約をしていく
- 最初に見積もりしてもらった業者Aには見積もり金額を聞いたら「他社とも比較したいので、検討してまた電話させていただきます!」と一旦断る
- 2社目の業者Bの見積もりのとき
- Aより安い場合 : 先ほどと同じく「他社とも比較して連絡します!」と一旦断る
- Aより高い場合 : 「先に見積もりしてもらった業者さんでもっと安いところあったのですが、どこまでなら値下げできますか?」と聞いてみる
- AとBの見積もり金額のうち安かった方を基準にして、3社目以降も同様に繰り返す
- 一通りの業者の見積もりが出揃ったら最後にAにもう一度電話をかけて「他社でA社さんよりも安いところがあったのですが、A社さんはいくらまでなら値下げできますか?」と交渉してみる。
- これで各業者の最安値を一通り引き出したことになるので、あとは口コミや営業担当の感じの良さなども考えて依頼先を決める
この手順を踏んでいけば最安値を狙うことができるでしょう!! また、上の手順を実行していくにもいくつか覚えておきたいポイントがあります!
- 見積もりをしてもらう際は「値段重視で選ぼうと思っている」とハッキリ伝える
- もちろん最終的な判断では値段以外を重視してもOK。あくまで少しでも安い見積もり金額を引き出すための技
- 「即決ならこの価格で」と言われてもビビらずに「他社と比較検討してから決めたい。あとでまた電話します」と一度断り、絶対にその場では判断しない
- もともと狙っている業者があるときは、その業者を一番最後に見積もりする。( → 最後の業者との見積もりまで来ると情報も出揃っているし、こちらも知識がついているので値段交渉を有利に進めやすい!)
- 基本的に他社の見積もり金額を具体的には伝えない (→ 伝えてしまうと「それより安く提示しとけばいいや」ってなってしまうのでその業者の最安値を引き出せない)
- 最後の1社の見積もりやA 社に電話をかけ直す際は、最終的にはここまでの最安値の金額伝えて勝負しても良い
これらのポイントを踏まえることで、上の手順がより活きてきます! 是非参考にしてみてください!!
6. まとめ
以上、引っ越し料金の「定価」について、「割引サービス」について、そして「最安値を掴む方法」を解説致しました! 最後に今回の内容をおさらいしておきましょう!
- 引っ越しには定価が実質存在しないので「紹介割」や「優待割引」などに意味はない
- それどころか中間マージン分が上乗せされてかえって高くなってしまうことすらある
- 割引サービスではなく、王道に相見積もりを取って値引き交渉するのが引っ越し費用を抑える唯一の方法
- 相見積もりをするなら一括見積もりサイトの利用すると便利!!
- 一括見積もりサイトを使う際は、ポイントを抑えてうまく値段交渉をすることで最安値を引き出せる
今回は以上です!! なお、今回紹介した一括見積もりサイトについては以下の【あわせて読みたい】の方で詳しく解説しております。 是非参考にしてみてください!!
それでは、よりスムーズでお得な引っ越しができることを願っております!!
【あわせて読みたい】より良い引っ越しをするために…

「引っ越し」はライフスタイルの変化のときです。
どこへ行き、どこで時間を過ごすのか?
誰と過ごす時間が増え、家にいる時間をどう過ごすのか?
環境とともに、自然とライフスタイルが変わります。
そんな人生の中で大きな意味を持つ「引っ越し」というイベント。
少しでも「良い引っ越しだった」と思えるようにしたいものですよね。
でも、引っ越しは思っているより大変です。
新居選び、退去手続き、役所やライフラインの手続き、荷造り、引っ越し業者選び・・・
やることはたくさんあります。また、費用面も安くありません。
その中でも引っ越し費用はただ高いだけでなく、「相場がわかりにくい」ため注意が必要です。
時には相場が分かりにくいのをいいことに、適正料金よりも高い見積り金額を提示する業者もいます。
こちらが無知でいると「業者の言い値」でいいようにやられてしまうのです。
しかし、引っ越し費用は簡単な方法で大幅に安くすることができます。
「あること」をするかしないかで費用が半額になることもあるのです。
そこでまずは、そんな引っ越し費用や業者選びのことに詳しくなりましょう。
これから引っ越しをするあなたへ、まず読んで欲しいことをまとめましたので、まずはここからお読みいただけたらと思います。
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