引っ越しは思っている以上に忙しいですよね。 荷造りやら手続きやらとやることが多く、ついつい掃除まで手が回らなくなってしまいがちです。 正直なところ、やるねきことはたくさんあるので、退去する部屋の掃除は最低限で済ませたいものです。
でも、もし掃除不足で余計なお金がかかってしまうのなら話は別です。 ただでさえお金がかかる引っ越し時に、余計な出費は増やしたくないのがホンネですね!
ということで、 今回は気になる旧居の掃除について、以下のような疑問に答えていきます。
- 旧居の掃除はどの程度やっておけばいいの?
- ホコリまみれのまま掃除しないで引っ越したらどうなる?
- 掃除をしっかりすればクリーニング費用はかからない?
- 掃除はいつから始めるべき?
では、さっそくみていきましょう!
目次
1. 退去前の掃除のポイント
退去前に掃除するのは最低限のマナーであるだけでなく、ルール上も「原状回復義務」として決められています。 ですので、「全く掃除をしないで退去する」のはやめておきましょう。 ただ、引っ越し前は忙しくて満足に掃除する時間を取りにくいのも事実。 ということで、まずは退去前の掃除のポイントを押さえておきましょう!
- 「ぱっと見たときに印象が良い」のが1番のポイント
- 退去時の「クリーニング特約」があるかどうか契約を確認する
- 極力はガイドラインに沿った汚れは落としておきたい
では、詳しくみていきましょう。
2. 知っておきたい「原状回復義務」
賃貸物件に借りて入居すると、入居者には退去時の「原状回復義務」があります。 簡単にまとめますと以下の通りです。
- 入居したときと同程度の状態に戻すこと
- ただし「普通に暮らしていても発生してしまう経年劣化や通常損耗」は仕方ないので、それについては復旧する責任なし
- 自分の責任のもと発生させてしまった汚れ・劣化・損傷は復旧する (費用を負担する) 必要がある
これについては、国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(以下、単に「ガイドライン」と省略) 」の中で、どこまでが入居者の責任・負担であり、どこからは管理側の負担なのか細かく取り決められています。
また、国土交通省のガイドラインをさらに分かりやすくした東京都発行の「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」も参考になります。
これらのガイドラインをもとに考えれば、どこまで掃除すればいいのかと言うと「自分に責任がある汚れ等をしっかり落とす」ということになります!
3. 掃除の前に確認したい契約内容
さっそく掃除に取り掛かるのもいいのですが、その前にもう一つ確認しておきたいものがあります。 それは不動産会社で交わした「契約書」です!
賃貸契約書の中で確認したいのが「特約」に関する欄です。「特約」とは「当事者間の特別の合意・約束」のことで、これにより通常の原状回復義務を超えた負担をについて定めている場合があります。
これが定められている場合、それが不当な契約でない限りは特約に従わなければならないので、まずはそれを確認しておきましょう。 通常の大抵は契約書の一番最後のところにあります。
↑ 実際の契約書の特約記入欄。 この写真の契約書では特約は結ばれていない。
こちらに「クリーニング特約」などと呼ばれるハウスクリーニング費用に関する取り決めが書かれていたり、「原状回復特約」などの名目で本来の負担範囲外の内容が書かれていないか確認しておきましょう。
- 契約書を確認して「クリーニング特約」や「原状回復特約」などを結んでいないか確認する
① クリーニング特約の記載がある場合
もし契約書に「クリーニング特約」などが書かれていて、清掃状況にかかわらず退去時には必ずハウスクリーニングを行い、費用負担をすることが書かれているのなら、どれだけ掃除を頑張ったところで契約書に書かれている通りの費用を負担する必要があります。 ですので、その場合は最低限のマナーとして印象が悪くならない程度の掃除だけ行っておけば十分です。
そもそもクリーニング特約の有効性が認められているのは「入居者も退去時の掃除の手間が省けるというメリットがある」からという裁判での判例もありますので、安心してあとはプロに任せましょう。
② クリーニング特約の記載がない場合
逆に「クリーニング特約」の記載がないのであれば、ガイドラインに沿ったしっかり掃除を行うことで、自分の責任をきちんと果たすことができます。 そうすればもしクリーニング費用を請求されても毅然とした態度で臨むことができますので、余計な退去費用を払わずに済むでしょう。
- 「クリーニング特約」により、一定額のクリーニング費用負担が決められてしまっている場合は、最低限のマナーとして見栄えが悪くない程度の掃除だけしておけば十分
- 「クリーニング特約」がないのであれば、きちんとした掃除をして原状回復義務を果たしておきたい。 そうすれば、ハウスクリーニング費用を負担する必要性はまったくない。
4. 掃除しないで退去するとどうなる?
では、もしまったく最後の掃除をしないで退去してしまったらどうなるでしょうか?
これは当たり前のことですが、大家さん (または管理会社の担当者) が部屋を見たときの印象が悪くなるのは容易に想像がつきますね。 印象が悪いとトラブルの元になりますし、そもそもこちらも「原状回復義務」を果たしていないわけですので言い逃れしにくい状況になってしまいます。
退去費用が高くなってしまう原因にもなりますので、最低限の掃除は必ずしておくべきでしょう。
「去る鳥跡を濁さず」です!
5. 原状回復を果たすためにやっておきたい掃除内容
では、実際のところどのくらいの掃除をすれば原状回復義務を果たしたことになるのでしょうか?
① やっておきたい項目
まずは、見栄えが悪くないように最低限の掃除をしておきましょう!
東京都の「賃貸住宅トラブル防止ガイドライン」の中にあります、以下の図で示したような項目は基本ですので、まず最低限やっておきましょう。

(1) 天井・壁の掃除
天井に蜘蛛の巣が張っていたり、ホコリが尾を引いているような状態はさすがにまずいので、まずははたきなどでそのような汚れを落としましょう。
壁紙は色落ちに気をつけ、水拭きできればベストです。そこまでする時間がないにしても、家具の裏になっていたところなど、ほこりが目立つところはきちんと綺麗にしておきましょう。
床は掃除機がけや掃き掃除、あるいはクイックルワイパーなどでホコリがないように掃除して、できれば水拭きしておきましょう。
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これらの床・壁・窓・天井くらいはどんな場合でも最低限マナーとしてやっておきたいですね!!
(2) 台所周り・換気扇の油汚れ等
続いて、台所や換気扇の掃除です。 料理をしているとどうしても油汚れなどがついてしまっているかもしれませんが、油汚れ用の掃除道具を使ってできるだけ落としておきましょう。 ちゃんとした薬剤を使えば案外すぐ落ちますよ!! こちらは去年の大掃除で実際に使ってみてかなり良かったのでオススメです。
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洗剤いらずでこするだけなので、お手軽に綺麗になってオススメです!
(3) お風呂
お風呂は普段からやっていないとカビや水垢で結構たいへんなポイントですね。 まずは最低限「排水溝」を綺麗にしておきましょう。 パイプユニッシュがお手軽で効果的です。
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また、カビが発生しているのなら定番のカビキラーを使いましょう。 カビキラーを使う際はゴーグルや手袋も忘れずに装着しておいた方がよいですよ!
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あとは水垢落としと通常のお風呂掃除ですね。普段使っているバスマジックリンのようなものでもいいですが、頑固な水垢も落とせる強力めのものを使ったほうが楽できます。
(4) トイレ・洗面台
トイレも頑固でおちない汚れについてはシンクと同様、専用の研磨用スポンジを使うと手軽にキレイになるのでオススメです! 洗面台も同様です。
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これでこびりついた頑固な水垢を落としたあとは、普通にトイレ周り・洗面台周りを掃除しましょう。
(5) エアコンフィルター
忘れがちですが、備え付けのエアコンはフィルター掃除をしておきましょう。 もしかしたらやったことがないかも知れませんが、いざやってみるとすごく簡単です。
ただカバーを持ち上げてフィルターを外し、ほこりを掃除機やブラシ等で除去してから水洗いすれば終わりです。 乾かしてから元に戻しましょう。
② できるだけやっておきたい項目
ここまでのことをやっておけば十分なんですが、もし「子供が壁紙に落書きしてしまった」とか「カーペットにジュースのシミをつくってしまった」なんてことがある場合は、落とせないかチャレンジしてみましょう。 落とせれば費用を負担しないで済みますよ!
以下の記事を参考にしてみてください!
以上、この章で見てきた掃除のポイントをまとめておきましょう!
- 面倒なのは「風呂」と「キッチン」なのでここだけでも先に片付けておくとすごく気が楽!
- 専用の道具を使うとスピーディーに綺麗になるので、忙しい引越しの中でやるなら惜しまず使うが吉!
- 高い退去費用を払うことに比べたら掃除道具を買い揃えてでも全然安上がり
6. 掃除はいつからはじめる? どう進めていく?
さて、それでは掃除は具体的にいつ頃からはじめていけば良いでしょうか?
オススメとしては、1〜2週間前から少しずつ進めていくのが良いでしょう! だんだん梱包したダンボールなどでスペースがなくなり掃除しにくくなってくると思いますが、とりあえず引越し当日までに「風呂・トイレ・洗面台・キッチン・エアコン・窓」を終わらせておくのを目標にしましょう!
床・壁・天井なんかは荷物がない部屋ならすぐ終わりますので、引越し業者さんの作業と平行して、荷物の搬出が終わった部屋から徐々に進めていきましょう。
- 掃除は引越し1〜2週間前から少しずつ
- 引越し日までに「風呂・トイレ・洗面台・キッチン・エアコン・窓」を終わらせるのを目標に!
7. 引っ越し前の掃除に関するQ & A
最後に、掃除に関するちょっとしたQ&Aに答えておきましょう!
① 引越し先の掃除はするべき?
基本的にハウスクリーニングが入っているとは思いますので、お好みでですね。 ただ、空き部屋となっていた期間が長かったりすればホコリが溜まっていたりするので、可能なら引越し日前にやっておいた方がよいでしょう。
全体にクイックルワイパーかけるくらいだけでもやっておけば全然違います。
② 引越し作業に最後の掃除をする場合、掃除道具はどうするの?
引越し作業後に掃除しようとすると、そのために残しておいた掃除道具は当然ですが業者には持っていって貰えませんね。 車がある方は別ですが、電車などで移動する方は「掃除機などはすべて業者に運んどいてもらって、はたきや雑巾などの最低限の道具だけで掃除する」しかありませんね。
なんなら、100均などで買い揃えてしまい、終わったら捨ててしまうのも1つの手段ですね!
8. まとめ
以上、引っ越し前の掃除について解説致しました。 今回の内容をまとめておきましょう!
- 何にせよ「ぱっとみた印象が良い程度の最低限の掃除」は必須
- 契約書を確認して「クリーニング特約」があるかないか確認しておく
- 「クリーニング特約」があるなら印象が悪くない程度の最低限の掃除だけしておく
- 「クリーニング特約」がないのなら「原状回復義務」を果たせるようにしっかり掃除する
- 掃除は引越し1〜2週間前から少しずつ! 特に「風呂場」と「キッチン」は手間がかかるので先に終わらせてしまうのが吉
それでは以上です。 退去時の余計な費用を抑えて引越し費用を少しでも節約できるようにしましょう!
なお、退去費用についてより詳しくはこちらの記事で解説していますので、合わせてご覧いただければトラブル時の役に立つと思います!
それでは、あなたの引っ越しがよりお得に、スムーズに終わり、気持ちの良い新生活を始められることを願っております!!
【あわせて読みたい】より良い引っ越しをするために…

「引っ越し」はライフスタイルの変化のときです。
どこへ行き、どこで時間を過ごすのか?
誰と過ごす時間が増え、家にいる時間をどう過ごすのか?
環境とともに、自然とライフスタイルが変わります。
そんな人生の中で大きな意味を持つ「引っ越し」というイベント。
少しでも「良い引っ越しだった」と思えるようにしたいものですよね。
でも、引っ越しは思っているより大変です。
新居選び、退去手続き、役所やライフラインの手続き、荷造り、引っ越し業者選び・・・
やることはたくさんあります。また、費用面も安くありません。
その中でも引っ越し費用はただ高いだけでなく、「相場がわかりにくい」ため注意が必要です。
時には相場が分かりにくいのをいいことに、適正料金よりも高い見積り金額を提示する業者もいます。
こちらが無知でいると「業者の言い値」でいいようにやられてしまうのです。
しかし、引っ越し費用は簡単な方法で大幅に安くすることができます。
「あること」をするかしないかで費用が半額になることもあるのです。
そこでまずは、そんな引っ越し費用や業者選びのことに詳しくなりましょう。
これから引っ越しをするあなたへ、まず読んで欲しいことをまとめましたので、まずはここからお読みいただけたらと思います。
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